奄美大島のハゼ最新情報

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倉崎「底の底」にいるガラスハゼ2種  1/19/2006


ガラスハゼ属の1種
Bryaninops sp.
ホソガラスハゼ
Bryaninops loki

1月19日ログに書いたように,倉崎の「底の底」でオニツノハゼを見つけてニンマリなわけですが,そのすぐ隣でも意外な発見が!!

倉崎の「底の底」に一部密生しているヤギ類にはホソガラスハゼが付いていると思っていたんですが,どうもホソガラスハゼ以外に少なくとももう1種類ガラスハゼのなかまがいるようです。


以前に見たガラスハゼのなかま(2005年7月11日ログ)は赤褐色横帯が第一背鰭起点から始まり,7本あるのでホソガラスハゼだと思いました(下画像)。
ホソガラスハゼ

赤褐色横帯(@)は第一背鰭起点から始まり,
全部で7本ある

今日見たガラスハゼのなかまも海中ではホソガラスハゼかと思ってましたが,撮った画像を良く見ると,赤褐色横帯は第一背鰭起点より前で始まり,6本しかありませんでした(下画像)。
ガラスハゼ属の1種

赤褐色横帯(@)は第一背鰭起点より前で始まり,
全部で6本しかない
よってこのガラスハゼのなかまは「日本のハゼ」のガラスハゼ属の1種1になるみたいです。

「日本のハゼ」では,このガラスハゼ属の1種の分布域は西表島のみになっているので,北限になるのかもしれません。

ちなみに上記識別点もすべて「日本のハゼ」を参考にしました。いつもながら「日本のハゼ」様々です。

以前に研究者の方に,「ガラスハゼ属を見分けるにはどんな宿主についているかも役立つ」と教えていただきました。ガラスハゼのなかまは種によって,付くソフトコーラルが結構決まっているようです。言い換えれば種が違えば,付いているソフトコーラルも違う・・・一番上の画像で見比べると,お!ガラスハゼ属の1種ホソガラスハゼの付いているヤギは似ているけど確かに別種かも。
倉崎「底の底」のヤギにも2種類以上あるとは,これまた発見!!

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