奄美大島で見られるハゼを1種ずつ紹介していこうというコ−ナーです。
奄美大島での生息状況や生態や形態的特徴など観察に役立つ情報をできるだけ書きたいと思っています。
(が,単に思い入れを書くだけになりそう・・・)


今回クローズアップするハゼ(2005年4月2日アップ)

奄美大島北部ならではのハゼB  

ホクロハゼ




ホクロハゼ
Acentrogobius caninus
奄美大島での生息環境: 河口近くの軟泥地
主に見られたポイント: ハゴロモポイント2
水深1〜3mくらい

奄美大島で潜ったら見てみたい「奄美大島ならでは」でないかと思っているハゼの3回目,今回はホクロハゼです。

このホクロハゼ,以前にニュースに書いたように,奄美大島以外の国内では過去に沖縄本島で2回採取されたのみ。実際にダイビングポイントで見られそうなのは今のところハゴロモポイント2だけのようです。まあまさに「ならでは」のハゼではないでしょうか。

そんなレアものですが,ハゴロモポイント2では今のところ決して少なくはなく,ハゴロモハゼツムギハゼカスリハゼの次くらいに良く見られるハゼです。このまま居着いてくれると良いんですが。

普段は背鰭など閉じてじっとしていますが,上画像のように,ふわっと鰭全開を見せてくれることがたまにあり,全身を撮るのならその時がシャッターチャンス!大きな個体は全長で10cm以上あるので,特徴である「ホクロ」を入れて頭部だけ撮るのも良いかも。


どちらにしても警戒心が弱いので,比較的撮りやすいハゼです。

ところで,ホクロハゼの警戒心の弱さは,ひょっとしたらツムギハゼに関係があるのでは??と密かに想像しています。
ホクロハゼの巣穴はツムギハゼも共用しているようで,下画像のようにそばにはツムギハゼがよく見られます。


水中ではぱっと見結構似ている両者,とくに鰭を閉じていると「あれどっちかな?」と一瞬迷うくらい。ツムギハゼは,フグ毒で有名なテトロドトキシンという神経毒を持っていることがあるんですが,この毒は餌から摂取するらしいです。同じような暮らしをしているホクロハゼもひょっとしたら有毒かも?無毒なら有毒のツムギハゼに擬態しているのかも??だから悠然として警戒心があまりないのかな???・・・と泥の海中でひとり想像をふくらませるのでした(笑)。


これまでにクローズアップしたハゼ

オビシノビハゼ

ハゼ科の1種(通称クモハゼモドキ)

マスイダテハゼ